池見林産工業株式会社

代表挨拶

Message from the President

池見林産工業株式会社 代表取締役社長

"欠点材から生まれたイノベーション"

昨今「イノベーション」という言葉が企業家の間でもてはやされています。イノベーションとは?=「モノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こす」という意味合いです。弊社が創業以来半世紀にわたって戦い抜いてきたものはまさに「イノベーション」に取り組む連続でした。

製材業としてスタートした創設期、製材から半歩進み木材加工業に取り組んだ過渡期、そして国産針葉樹の内装材トップメーカーたらんと取り組んできた成長期、その中で培ったものはまさに「国産材針葉樹の欠点材と向き合うイノベーション」であったと考えます。

日本は世界でも有数の森林資源国で、全国土面積の66%は森林です。その森林資源の中で、針葉樹は「死節・くされ節」によりいわゆる「穴」のあいた材料が、板材資源の90%を占めています。この「90%におよぶ欠点材」を独自の埋木補修の技術開発により、陽の当たる場所に生まれ変わらせることが「最初に出逢った大きなイノベーション」です。

この技術により、国産針葉樹の内装材のみに「特化」し、この分野のスペシャリストとして生きることを選択。その生産力と品質をとことん追求した結果が、国産針葉樹のムク一枚物の内装材の生産量全国最大級のメーカーとして存在することができた所以であると考えます。

第2のイノベーションは、国産針葉樹内装材に適した最終表面塗装の技術開発です。ノスコセラミック塗装(車イス対応)という有機溶剤(いわゆるシンナー)を一切使用しない特殊なUV塗装ラインを開発し、さらに現場でのオイル塗装工程や人件費コストを増加させない「工場塗装による植物性自然塗料塗布」の開発=「オスモ塗装」をマーケットへ投入いたしました。最近では、世界を席巻した「新型コロナウイルス」の経験により「Withコロナ新時代の新しい日常」に対応した「抗ウイルス塗装」の開発を完遂し、上市いたしました。

第3のイノベーションは、桧の無地材の需要拡大ブームの中で国産針葉樹の無地、上小節などの役物は全体の10%しか存在しない中、需要に応えるために、節有り材のムク材と無節材をハイブリッドでドッキングした製品「桧ハイブリッド無地」を開発し市場に供給いたしました。お求め安い価格帯で、しかも資源量豊富なハイブリッド製造方法で桧の無地材を供給しております。

「死節・くされ節」のいわゆる欠点材からスタートしたイノベーションは、国産針葉樹のあらたな社会的意義を発信するものだと確信して、住宅・建築市場と皆様と共にさらに歩ませて頂きます。